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日本の政策が雑なことがわかる興味深い点は他にもあったが、文部科学省の英語政策――いわゆる「戦略構想」や「小学校英語」――が、おざなりの政策にすぎないという点がいちばん納得できた。特に「戦略構想」は、EUにおける言語教育政策と比較させて2章後半で検討されている。これをよむとEUの政策では、達成目標について相当綿密に検討された跡がうかがえ、達成度を段階にわけ、各段階で精密で具体的な目標設定が規定されている。生徒全員を同じレベルまで導くという妄想的な目標はもちろん排除されている。これと比して、日本の政策はえらく大雑把だと理解できる(たとえば高卒時の目標は英検2級と一義的に決められているだけ)。日本の英語教育の方針がちょっと変なほうに向かっているなあと常日頃感じている人にとって示唆の富む本である。
以下意見になるが、学校英語が使いものにならないと万年批判に晒されてきた文科省が、英語を使える人材を育てなければいけないと考えるのは(学校教育内部でそのレベルに達するのが無理であることは専門家の間でほぼ一致しているけれど)、一応は殊勝な心がけではある。しかし世間や産業界の圧力のなか、専門家の多くが実効性を疑うような政策を、大局観もないまま採用してしまうのは罪深い。教えられる子供にとっちゃ、たまったものじゃない。
文科省の人間も、たとえば小学校から英語なんかやっても、あまり実効がないことぐらいわかっているわけである。だが「空気」(山本七平)の前に、なんとなく、世間で主流の考えに同調してしまうのである。仮にもエリートなわけだから、世間一般と逆をい...
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